ニキビができる原因
ニキビができる原因は常に1つではなく、年齢によってそれぞれ考える必要があります。
「なかなかニキビが治らない」「ニキビ跡にならないか心配」という場合には、埼玉県川越市のやなぎさわ皮フ科内科へご相談ください。
ご自身でニキビを潰してしまうと、炎症が悪化したり、ニキビ跡になったりする場合がありますので、ご注意ください。
思春期ニキビの原因
10代の頃にできるいわゆる「思春期ニキビ」の原因は、皮脂量の増加が原因です。
思春期にはホルモンバランスが崩れて、男性ホルモンが増える傾向があります。
そのため皮脂の分泌量が増え、毛穴に詰まり、ニキビが多発してきます。
大人ニキビの原因
一方、20代ごろからできてくる「大人ニキビ」の原因は複雑で、いくつもの理由が重なってニキビができてきます。
主な原因として、
- ホルモンバランスの変化
- 不規則な食生活、睡眠不足
- 紫外線や乾燥などの物理的な肌への負担
- 仕事、私生活でのストレス
- 運動不足
などが考えられます。
ニキビの種類と症状
白ニキビ
毛穴に皮脂や老廃物が溜まり、白っぽく見えているニキビです。
まだ初期段階のため、炎症はなく、痛みもありません。
黒ニキビ
毛穴の皮脂が酸化されることで黒っぽく変色した状態です。
白ニキビから進行していますが、痛みはまだありません。
赤ニキビ
毛穴が塞がって中でアクネ菌が増殖し、炎症した状態です。
強い痛みを感じる場合があります。
黄ニキビ
炎症が進行し、毛穴の中に膿が溜まっているニキビです。
炎症は根元まで進行し、ニキビの最終段階とも言える状態です。
ニキビのセルフケア方法
ニキビに対して間違ったケアをしてしまうと、かえって悪化してしまうこともよくあります。
以下に、ニキビのセルフケアの注意点を何点かご紹介いたします。
ニキビのセルフケアの注意点
物理的刺激を避ける
ニキビを触らないのはもちろん、マスクや髪の毛による刺激にも注意しましょう。
ニキビがあるうちはおでこを出すことに抵抗があるかもしれませんが、前髪を流すなど、直接患部に触れさせないことが大切です。
お化粧も、炎症がひどい時にはできる限り薄めにしておくのがポイントです。
洗顔しすぎない
皮膚を清潔に保とうとするあまり、1日に何度も洗顔するのはやめましょう。
皮膚表面の過剰な皮脂や汚れを落とす時でも、1日2回程度の洗顔にとどめておいてください。
その際はゴシゴシ力を込めて洗わず、洗顔料をふんわり泡立てて優しく洗い流しましょう。
規則正しい食生活
ファストフードや、脂肪分の多いお菓子を食べていると、皮脂を増やすことに繋がります。
ビタミンBやビタミンCをたくさん摂り入れた、健康的な食生活を送りましょう。
食事だけでなく、ストレス発散や十分な睡眠も重要になります。
自分ではニキビを潰すのはNG!
ご自身でニキビを潰すのは避けてください。
炎症が悪化する可能性があり、また、ニキビ跡としてずっと残ってしまう恐れがあります。
皮膚科で適切な治療を受けたり、正しいニキビケアの方法を学んで、ニキビ跡を残さないようにしましょう。
皮膚科での治療(薬)
ニキビ治療薬には、
- 毛穴の詰まりを改善し原因菌の増殖を抑える
- 毛穴の詰まりを改善し面ぽうの発生を抑える
- 直接原因菌に作用し増殖を抑える
などの作用があり、これらの組み合わせで適切に治療を進めていきます。
ニキビの治療で大事なことは、よくなっても継続することにあります。毛穴の状態を整えることで『治療』を行いながら次のニキビができないように『予防』していくことが大事になります。
白ニキビ
■ディフェリンゲル(アダパレン)
■ベピオ(過酸化ベンゾイル)
白ニキビでは化膿炎症がないため、詰まった毛穴を溶かす薬が使われます。
皮膚のピーリング作用を介して、皮膚の再生を促すことで毛穴詰まりを解消します。
副作用として、皮膚のかさつき、赤み、ヒリヒリ感などが生じる可能性があります。
これらは保湿剤と併用することで、ある程度、軽減させることが可能です。
■エピデュオ
エピデュオとはアダパレンと過酸化ベンゾイルを混ぜた製剤で、より効果が高まります。
ただし、その分、皮膚への刺激も強くなってしまうので、徐々に慣らしていくように使用してきましょう。
※いずれも、万が一かぶれる程刺激が強い場合は中止してください。
赤ニキビ
■アクアチム
■ダラシン(クリンダマイシン)
■ゼビアックスローション
赤ニキビでは原因菌も退治する必要があるため、抗菌塗り薬を使用いたします。
代表的なものにアクアチム、ダラシン(クリンダマイシン)、ゼビアックスなどがあり、それぞれ軟膏・クリーム・ローションなど、使用感が異なる製剤があります。菌に合わせたり、使用感で使い分けることがあります。
基本的にはべピオ、ディフェリン、エピデュオと併用することが多いです。
赤ニキビが治まってきたら、抗菌薬は中止していきましょう。
■デュアック
2種類を使い分けることが負担に感じる場合は、抗菌薬と組み合わせたデュアック(べピオ+ダラシン)という配合剤もあります。
塗る際の負担は軽減できますが、抗菌薬が入っているため、長期間使い続けることはできません。
ニキビが治りきらない「しこり」を放置すると…
ニキビが治らないときの受診の目安
患者様の中には、ニキビがしこり状に残ってしまい、なかなか治らないとお悩みになるケースがあります。
一般的にはニキビでも1ヶ月程度までしこり状に残ることはありますが、
- 1ヶ月以上経ってもしこりが消えない場合
- 何度も同じ場所にしこりが出てくる場合
- しこりから嫌な匂いが出てくる場合
というような場合には、ニキビ以外の可能性を考える必要がありますので、皮膚の状態を詳しく調べたうえで、きちんと診断いたします。
ニキビじゃない?しこりの原因
瘢痕
瘢痕とは、皮膚の傷が治る時に、繊維組織が作られることで生じる盛り上がりのことです。
炎症性ニキビは周囲を炎症細胞や線維芽細胞、血管などで覆われていて、それが徐々に繊維組織に覆われていきます。 この過程で瘢痕が作られていきます。
基本的には、ステロイド注射やトラニラスト(リザベン)などの飲み薬で治療していきます。
白ニキビに使用する外用薬でも瘢痕は徐々に改善していきます。
粉瘤
同じ箇所が何回も腫れ上がったり、嫌な匂いがしてきたりする場合には、ニキビではなく「粉瘤(アテローム・おでき)」を疑うべきと言えます。
粉瘤は皮膚の中に袋状の組織ができて、中であかが溜まっていく病気です。そこに菌が侵入することで炎症を起こして内部に膿が溜まります。
根治治療のためには外科的に切除する必要があり、日本ではくり抜き法と呼ばれる手術が選択されることが多いです。
毛穴の埋没
毛穴の埋没は、しばしば起きることがあります。
ニキビにより毛穴が破壊されると、溜まった皮脂が塊となり、皮膚の中に漏れ出して炎症を起こします。
何度も炎症を繰り返すことで瘢痕化し、しこり状になることがあります。
粉瘤と同様に、根治のためには外科手術が選択されます。