蕁麻疹とは?種類は8タイプ
蕁麻疹とは、皮膚の一部が突然赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、24時間以内に消えてしまう皮膚の病気です。
チクチクとした皮膚の痛みやかゆみを感じることが多く、数十分で消えるものから半日程度残るものまで様々なタイプがあります。
重症な場合には、血管浮腫を引き起こし、喉が腫れて呼吸困難に陥る危険もあります。
蕁麻疹は早期に治療を開始することが重要で、放置していると慢性蕁麻疹となって治癒に時間がかかるようになりますので、症状が現れたらお早めに埼玉県川越市のやなぎさわ皮フ科内科へご相談ください。
急性蕁麻疹
毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して1ヶ月以内のものを「急性蕁麻疹」と言います。
疲れやストレス、寒暖差、細菌、ウイルス感染が原因で起こることが多いと考えられています。
慢性蕁麻疹
毎日のように繰り返し症状が現れる蕁麻疹のうち、発症して1ヶ月以上経ったものを「慢性蕁麻疹」と言います。
はっきりとした原因が特定できないことが多いです。
慢性蕁麻疹になると治療に時間がかかる傾向にありますので、注意しましょう。
物理性蕁麻疹
物理的刺激によって生じる蕁麻疹で、主な原因は機械的な擦過や圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などです。
コリン性蕁麻疹
1つ1つの膨疹の大きさが1〜4mm程度の、小さな蕁麻疹です。
主な原因は入浴や運動などで汗をかくことで、小さなお子様や若い世代の方に多くみられます。
アレルギー性蕁麻疹
食べ物や薬剤、昆虫などに含まれるアレルゲンなどが原因で発症する蕁麻疹です。
食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
原因となる食べものを摂取した後、多くは2時間以内に運動した時や、NSAIDs(非ステロイド抗炎症薬)を服用した後の食事によって引き起こされる、アナフィラキシーのことです。
イントレランス
アスピリンやNSAIDs(非ステロイド系消炎鎮痛薬)、色素、造影剤、食品中のサリチル酸などにより生じる蕁麻疹です。
血管性浮腫
唇や瞼が腫れ上がり、2〜3日程度かけて消失します。
しばしば遺伝性のものの可能性もあります。
蕁麻疹の症状:むくみ・膨疹
蕁麻疹の症状には大きく「むくみ」と「膨疹」に分けられます。
むくみは痒みを伴い、境界線がわかりにくいことが特徴です。
膨疹は多くの症例で数時間以内に一旦消失します。膨疹の形は様々で、数ミリ程度から手のひら以上の大きなものまであり、膨疹が集合して地図状になることもしばしばあります。
消失する時間については、70%の人が1週間以内に寛解し、90%が1ヶ月以内に治ります。
これ以上続く場合は、慢性蕁麻疹と診断されます。
蕁麻疹の原因はストレスや疲れ?
蕁麻疹を引き起こす原因物質は、「ヒスタミン」と呼ばれる成分であることがわかっています。
ヒスタミンは普段は皮膚組織内にある「マスト細胞」と呼ばれる細胞の中に蓄えられていますが、何らかの理由で放出されると血管がヒスタミンに反応して、蕁麻疹を引き起こすと考えられています。
そして蕁麻疹は大きく「アレルギー性」と「非アレルギー性」に分けられ、一般的な原因として以下のものが挙げられます。
ストレス・過労
ストレスなどの心理的要因によって引き起こされる蕁麻疹もあります。
環境の変化をきっかけに急に症状が出たり、逆に症状が出なくなったりすることがあります。
食品
食品が原因で蕁麻疹を起こすことがあります。
蕁麻疹を引き起こす代表的な食品として、サバやアジといった青魚、エビやカニなどの甲殻類、豚肉などの肉類、乳製品や果物などがあります。
食品によってヒスタミンが放出されることで起こるのがアレルギー性の蕁麻疹ですが、食品中に元々多量のヒスタミンが含まれていた場合は「非アレルギー性の蕁麻疹」となります。
そのため、食べるタイミングによっても、症状が出たり出なかったりすることがあります。
その他
入浴や運動後の発汗、日光による体温上昇、寒冷刺激などによってもヒスタミンが放出されることがあります。
特定の食品を食べた後に運動することで惹起されることもあり、その場合は食事か運動のどちらかを避けることで蕁麻疹の発生を回避することが可能です。
ただし、多くの蕁麻疹の原因は不明なことが多いです。
食事や薬等が多い印象かもしれませんが、統計を取るとほとんどがストレス、寒暖差になります。蕁麻疹は『身体の黄色信号』と捉えていただき、ゆっくり体を休めることも重要になります。
蕁麻疹の検査と治し方(治療方法)
検査方法
特異的IgE抗体検査
採血により各物質に対する免疫反応を調べる検査です。
プリックテスト
皮膚に原因と疑われる物質を注入して、反応を調べる検査です。
疑われた場合には専門機関をご紹介させていただきます。
負荷試験
疑わしい食品を口にしたり、実際に行為を行なったりして反応を調べる検査です。
血液検査を行い、疑われた場合には専門機関をご紹介させていただきます。
診断について
アレルギー性のものについては、比較的容易に判定することができます。
ですが、血液検査の結果に関してはあくまで参考程度とお考えください。
検査結果は有用ですが、その特定の物質を原因と断定することはできませんのでご理解ください。
また急性蕁麻疹においては原因物質の特定までは行わず、治療を始めることもよくあります。よく言われている食べ物によるアレルギー反応は、ごく一部です。
お子様の蕁麻疹の場合は、蕁麻疹が出てきた時間やタイミングをよく観察してください。
通常の蕁麻疹であれば、長くて60分以内で消失します。
繰り返し症状が現れるようでしたら、すぐに当院へご相談ください。
治療方法(薬)
蕁麻疹では原因物質を特定できないことが多くあります。
そのため、原因究明よりも抗ヒスタミン薬の服用を先行して行います。
通常は眠気の副作用が少ない、第2世代抗ヒスタミン薬を選択します。
塗り薬は蕁麻疹に効果がないと言われておりますが、かゆみでひっ掻いてしまった部分には外用をおこなっていきます。
短期間で症状が消失することがありますが、繰り返すことがあります。一定期間しっかりと内服を行い、ゆっくりと減量を行うことが慢性化させない秘訣になります。
症状が長く続く場合はぜひご相談ください。蕁麻疹の治療薬は何種類もあります。お一人お一人に合うお薬を探しながらゆっくりと薬を減らしていきます。
蕁麻疹になったとき控える食べ物・行動はある?
ストレスや疲れはためないようにしましょう
蕁麻疹にはストレスなどの心理的負担も、蕁麻疹の原因の1つと言えます。
心身共に健康でいることが、蕁麻疹の予防では大事になりますので、できるだけストレスや疲れをためないようにしましょう。
食事の改善をしましょう
蕁麻疹を引き起こさないためには、原因となる食品を避けることが大事です。
蕁麻疹の原因となる得る代表的な食品として、動物性タンパク質・油、チョコレート、辛いもの、アルコールなどがあり、これらは蕁麻疹を引き起こしやすくしている可能性があります。
常に制限する必要はありませんが、調子の悪い時や、症状が出ている時には避けるようにしましょう。