多汗症(たかんしょう)とは
多汗症(たかんしょう)とは、手の平、顔、脇、足の裏、頭部などの限られた部位で多量の汗が出る症状です。
少し動くと全身でたくさんの汗が出る、いわゆる「汗かき体質」とは区別されます。
特徴①
多くの場合、小児期に発症し、成長して成人になっても続きます。一般的な小児疾患と違い、15歳ごろになっても病状が落ち着きません。
特徴②
常に汗が出るわけでなく、多汗・無汗を交互に繰り返します。
気温や緊張・運動による体温上昇などがきっかけになります。
特徴③
身体の左右で同時に発汗します。発汗しやすい箇所は手の平、顔、顔、足の裏、頭部です。
通常、複数の部位で多汗になります。
症状チェック
症状のセルフチェック
- 手の平や脇が常に湿っている
- 気温が高くなくてもたくさん汗をかく
- 緊張すると多量の汗が出る
- 手汗のせいで、文字が滲むなど、普段の生活で不便がある
- 多汗のため、1日に何度も着替える
- 脇の下の汗ジミが気になる
- 「汗をかかないか?」と心配になり、仕事や勉強に集中できない
- 睡眠中などには汗をかかない
- 多汗症の家族歴がある
症状のレベル
多汗症は症状に応じて、次のようなレベルに分けることができます。
レベル1 | 汗のせいで肌がしっとりしている。または濡れてつやつやしている |
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レベル2 | 皮膚の上で汗の水滴ができるが、流れ落ちるほどの量ではない |
レベル3 | 皮膚の上で汗の水滴ができ、流れ落ちる |
多汗症の原因
多汗症は原因がはっきりしている「続発性多汗症」と、原因が明らかではない「原発性多汗症」に分けられます。
「続発性多汗症」の原因
全身性の病気
- 感染症
- 神経性疾患
- 低血糖
- 糖尿病
- 内分泌代謝異常 など
局所的な神経障害
- 外傷
- 悪性リンパ腫 など
薬の副作用
- 解熱剤
- 向精神薬
- ステロイド剤
「原発性多汗症」の原因
原発性多汗症は、どうして大量の汗をかくのか、原因がはっきりとわかっていません。
多汗症は自力で治せる?
治し方・治療方法
自分で行える対策
ストレスを溜めない
過度なストレスを感じると、発汗に関わる交感神経が優位に働いて、多汗になることがあります。
そのため、多汗を抑えるには、できるだけストレスを溜めないようにすることが大事です。
専門機関で行う治療方法
外用薬
エクロックゲル®︎やラピフォートワイプ®︎、アポハイドローションを使用し、汗腺を塞いで発汗を抑えます。
内服薬
「臭化プロパンテリン」「オキシブチニン」「コハク酸ソリフェナシン」などの内服薬を使用します。
このうち、臭化プロパンテリンは保険適用となります。
ボツリヌス注射(ボトックス注射)
ボツリヌス菌から産生したお薬を注射して、発汗を抑える方法です。
薬剤の効果で筋肉の機能を麻痺させて、発汗を抑えます。通常、効果は4~9ヶ月程度続きます。
※ご希望の場合には、専門機関をご紹介させていただきます。
手術(交感神経遮断術)
発汗に関わる交感神経を切除・焼き切って多汗症を治療します。
特に手の平での多汗症への効果が高いと言われていて、ほぼ100%の方で効果が得られます。
※ご希望の場合には、専門機関をご紹介させていただきます。